11.クロージング

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株式譲渡契約書のなかで、調印日の翌日を、実際に金銭と株券を受け渡すクロージングの日としていた。午前10時に東京建材本社に集合し、双方が持参した株券や議事録、受領書などの内容を確認する。
東京建材はこれらを確認すると、銀行に送金手続をとり、株式譲渡代金と役員退職慰労金が後藤の銀行口座に振り込まれた。後藤は、口座への入金を確認した段階で代金受領書に捺印し、株券を東京建材に引き渡した。
「確かに株券を受領いたしました。今日から後藤商事は、私ども東京建材グループの一員です。後藤社長には、社長を退任されて顧問となっていただきますが、引き続き後藤商事ならびに東京建材グループの発展にお力添えいただき、ご指導いただきたいと思います」
東京建材の薄井社長は、関係者全員を前に高らかに言った。
こうしてクロージングも無事終了し、一連のM&Aプロセスはひとまず終了したことになる。
後藤は、無事に終えたことによる達成感と、一抹の寂しさを感じながらも、本件の実行を決心したときを思い出して、喜びに浸った。
「大切に育ててきた会社と従業員だからこそ、彼らが一番幸せになれる選択をしたい。新たなステージに立つことによって、会社も従業員も大きく成長できる」
【用意するもの】 受領書などのクロージング書類(TMACが作成をサポート)
